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ハンセン病施設に思う。

NHKの「探検バクモン」で爆笑問題の2人がハンセン病の施設に向かうロケ番組をやっていました。

ハンセン病とは昔は「らい病」と呼ばれ、らい菌に侵されると体の視覚、聴覚、と言った感覚が奪われていく病気です。ご存知の方もいるかもしれませんが、らい病にかかると大変な差別を受け、身内からも見放され、死後に同じ墓に入ることもできなかったそうです。らい病患者は法律によって隔離され、隔離された施設に入ると死ぬまで出ることは許されなかったそう。

象徴的な言葉が3つありました。

「舌読」・・・人間の感覚が失われ、最後に残される感覚は、舌や唇での感覚だそうです。重度のハンセン病に侵された人は舌を使って血だらけになって本を読むそうです。

「村全部」・・・村の全ての人々からそっぽを向かれることを村八分といいますが、ハンセン病患者にとってはそんな生やさしいものでなく、周りの人ばかりでなく家族からもそっぽを向かれ、一族であることを否定される存在になりさがることになります。

「断種」・・・ハンセン病患者どおしが結婚をしても、病原菌を後世に残すことは許されず、犬猫のように去勢手術を強制的に受けさせられたという事実です。

恐ろしいのは、戦後アメリカに新薬が開発され、ハンセン病が不治の病ではなくなったにもかかわらず、日本国内では隔離を強制する法律がそのまま放置され、1996年までその法律がなくならなかったという事実です。ハンセン病患者は、その病気が治り、病気そのものがなくなっても、そのまま放置され、人生をかけて法律の廃止をめざし戦ったわけです。

行き場をうしなった元患者は、今でもその施設に暮らしています。患者の1人は、「たとえ施設の人が全て亡くなっても、施設の奥にある納骨堂だけは残して欲しい。自分がこの世に生を受けた印となるものがなくなるのはしのびない。」と言っていたのには、心の奥に刺さるものがありました。

「知らない」というのは恐ろしいことです。
私たちがのうのうと豊かな時代を生きている裏で、このような仕打ちを受けていた人がいたことを正しく認識することの大切さを改めて知りました。

いろいろな「情報」を伝えていく仕事をしている中で、身が引き締まる思いです。

野澤

by niwa_biz | 2016-01-29 16:24

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